俳優ハヨン(32)は‘重症外傷センター’でさっぱりした看護師に変身した。
ネットフリックスシリーズ‘重症外傷センター’は、戦場を駆け巡っていた天才外科医ペク・カンヒョク(ジュジフン役)が、名ばかりの重症外傷チームを蘇生させるために赴任することで繰り広げられる爽快な物語を描いた作品だ。同名の人気ウェブトゥーンが原作で、映画‘良い友達’を演出したイ・ドユン監督と‘アダマス’のチェ・テガン作家がタッグを組んだ。
2019年のドラマ‘ドクタープリズナー’でデビューしたハヨンは、ドラマ‘異常弁護士ウ・ヨンウ’、ネットフリックスシリーズ‘イドゥナ!’などで活躍した。ハヨンは‘重症外傷センター’ではベテラン看護師チョン・ジャンミを演じた。
最近、ソウルの鍾路区三清洞のカフェでインタビューを行ったハヨンは、参加過程を尋ねられ“オーディションを通じて参加した”と述べ、“オーディションの時に台本を受け取って魅力的だと思った。原作を面白く読んでいたので、監督に積極的にアピールした。このドラマの物語構造はヒーロー物だと思う。マンチキン主人公で爽快感があり、テンポ感もあり、キャラクター同士のケミストリーがある作品なのでやりたかった”と明かした。
先に‘重症外傷センター’を演出したイ・ドユン監督は“ハヨンさんの家系が医療界なので、撮影現場で本当に多くの助けをもらった”と語った。
これに対しハヨンは“父が医者で、母が看護を専攻していて今は別の仕事をしている”とし、“病院で清掃の仕事をしたことがあるが、日常的なスタッフの姿を見て演技の参考にした”と明かした。
続けて“祖父が高宗皇帝の主治医として知られているが、実際には主治医ではなかった。当時、漢陽に初めて西洋医学を開業した医者だったと聞いた。曾祖父なのだが、詳しい話はあまり聞いていない”と慎重に答えた。
また、ハヨンはジャンミとシンクロ率が高く、演技しやすかったとし“ジャンミを演じるときは私の実際の話し方を使った。私のさっぱりした魅力を生かそうと努力し、気軽に表現できたので自由で良かった。‘異常弁護士ウ・ヨンウ’や‘イドゥナ’などでは主に女性らしいキャラクターを演じていたが、今回は私の実際の性格に似たキャラクターなので良かった”と冗談を言った。
また、外見にも気を使ったとし“原作ウェブトゥーンキャラクターのようにショートヘアにして、疲れて見えると良いと思い、ぼさぼさの髪を束ねてそばかすも描き入れた”とし、“看護師の方々が出ているYouTube動画などを見ながら、看護師服を着るときのペンの位置やどのペンをよく使うかを参考にした”と説明した。
続けて“内面的には初めてペク・カンヒョクを見たときにこの人は何だろうと思いながら受け入れ、サポートする感情線を考えた。エピソードが進むにつれて重症外傷センターの人たちと友情が生まれるので、そのディテールを掴むように努力した”と語った。
撮影前にジュジフン、ユン・ギョンホ、チュ・ヨンウ、チョン・ジェグァンなどと一緒にした台本勉強も多くの助けになったそうだ。
ハヨンは“午前中に会って7時間台本を見て、夕食も一緒に食べて監督やヨンウ、私たちのチーム全員で話す時間を持った。ジュジフン先輩がとてもリラックスさせてくれた。最初は手が震えたが、よく受け入れてくれたので早く仲良くなり、気軽に演技できた”とし、“先輩が‘味に詳しい’ので、食堂に行くと美味しくサムを食べる方法も教えてくれた”と語った。
続けて“チュ・ヨンウは初めてのリーディングから上手だと思った。若いのに本当に才能がある。だけど現場に行くとさらに上手だった。チョン・ジェグァンが出た映画‘ナットアウト’を見たので良い俳優だと知っていて不思議だった。やはり同じくらいの年齢なので私たちの間で冗談もたくさん言った。チュ・ヨンウもユーモラスで、チョン・ジェグァンもセンスよく話すスタイルなので、疲れるほど笑った記憶がある”と和やかな現場の雰囲気を伝えた。
ハヨンは梨花女子大学で西洋画科を専攻した。その後、大学院の勉強のためにニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アートに進学したが、演技者の夢のために1年で休学した。
これに対し彼は“ビデオアートをしながら自然に演技の授業を受けたが、何か神がかり的に演技をしなければならないと思った。美術は一人で部屋でやるが、互いに感情を分かち合うというのが刺激的だった。そのまま休学した。その時27歳だったが、実際私も悩みが多かった。その時周りから演技を続けるのが良いと応援してくれて、演技の先生なども早く始めるのが良いと言ってくれたので進んでいった。今やらなければ一生できないと思ったし、後悔したくなくて挑戦した”と説明した。
続けて“実際初めの頃はオーディションにもたくさん落ちて、演技専攻ではないので本当に自分が不足しているというコンプレックスもあった。今もないとは言えない。しかし少しずつ努力し、助けを受けながら初めてのオーディションに受かった時に確信を得て演技を続けることができた。不足しているが、ありがたいことに私に機会を与えてくれた‘ドクタープリズナー’の監督とドラマチームのおかげで今まで来ることができた”とデビュー当時を振り返った。
さらにいつか美術作品もしたいとし“今も展示を見るのがとても楽しく、一人で作品を見て泣いてびしょびしょになるのが好きだ。私が余裕ができて機会があれば、展示まではいかなくても、少しでも絵を描き続けたい気持ちはある。演技の練習をする作業室には今もイーゼルがあるが、3年間手をつけていないが、常に気持ちはある”と率直に語った。
ただしハヨンは“今は本業である演技に集中しなければならない”とし“アクション演技もやってみたい。ペク・カンヒョクのような掴みどころのないキャラクターもやってみたい”と演技への情熱を表した。
[ヤン・ソヨン スタートゥデイ記者]